屋敷にあった茶室
待庵は屋敷にあった茶室を、後に寺に移したのではないかという推定も成り立つわけです。
ともあれ、この茶室は数ある利休好みといわれるものの中でも、彼の直作と信ずるに足る現存唯一の遺構とされている(前掲図珊ー1参照)。
さてこの茶室は、三段に分けた天井の構え、下地窓や連子窓の配農の妙など、後世、多くの茶室の規範となったものであるが、何といっても最高の見どころは、床ノ問の扱いと壁面の意匠でしょう。
床ノ問は台目幅、権・柱とも丸太に近い雑な材料であるが、その内部は奥壁・両側壁を一連の土壁で塗りまわして隅柱を見せず、のみならず天井まで土で塗り込めたいわゆる「室床」の形式を採り、しかもその天井は極端に低い。
すなわち、茶室の中の視線の焦点ともいえる床ノ問に、徹底して土の肌を強調した外壁リフォームデザインといえます。